2014年4月29日火曜日

374)オールOK子育て法は自発性を育てる

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の真道満喜(しんどうまき)です。
精神分析という対話療法で自己(無意識)を知り、必要に応じて書き換えませんか。
そうすれば、不安は安心に変わり、生きる希望が湧き、しあわせ入れ放題・つかみ放題だと実感することでしょう。

今日は、「オールOK子育て法は自発性を育てる」 について考えてみます
子育てについてたくさんのクライアントから相談や問い合わせがあります。
その中で、オールOKすることの大切さや必要性がなかなか理解できなかったり、理解できても実践することが難しい、続かないとの声があります。
当然のことです。
なぜなら、ほとんどの人は自らの親からオールOKなどしてもらった体験がないからです。
逆に、親にオールOKすることが良い子だとさえ教えられてきた人も多いのではないでしょうか。
そこで、この「オールOK子育て法」について様々な角度から考えたいと思います。
まず今回は「自発性を育てる」について書きます。

自発性とは他からの教示や影響によるのでなく、内部の原因・力によって思考・行為がなされること。
このように辞書には書かれています。
特に子どもは未知のものに対して興味津々で、目を向け、手を出して触れたり掴もうとします。
それに対して周りの大人が可能な限り(命に係わること以外)その機会を奪わないなら、どんどん未知の世界への好奇心を育ててゆくことでしょう。
それが自発性を育てる環境だと思います。

身を持って体験したことはすべてその子どもの心身に貴重な記憶となって蓄積されます。
それらの記憶は後に類似の体験をした時に比較参照項とし、より的確な考えや判断を促す基礎となります。失敗も成功もすべて後の体験に活かされることでしょう。
一方、時には痛かったり、辛かったり、苦しかったり、怖かったりするかもしれません。
それらはいつか他の誰かと共に分かち合える事(共生・共感)にも繋がるでしょう。
このように、自発性は好奇心と相まって探究心へ、他者との共生・共感をも育てることになるのです。
そのことが社会とどのように関わっていくかの基礎にもなることでしょう。

思春期の子どもに直面した時、オールOKの対応は親の側に多大なエネルギーを必要とします。
なぜなら、対応する親は子どもの身体年齢と精神年齢のギャップについていけないからです。
つまり、身体は大人なのに心は幼児であることを受け入れようとしないのです。

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どうしてこの大きくなった子どもに今更このようなことまでしなければいけないのか。

自分は親からこんなことまでしてもらったことなどない。
益々わがままにしてしまうのではないか。
こんなことで社会で通用しないのではないか。
よその親はこんなことしてなくても問題はないのに。
色々湧き上がってきます。

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オールOKは、まず自発性の学習をするための環境を整える方法なのです。
口出さず、見守り続けるなら、必ず自発性を学び、自ら判断行動するようになるでしょう。
その間表面的には見えなくても、内部では熟成しているのです。
そのためには時間が必要です。
親の側に必要なことはただ一つ『待つこと』それだけです。
一人では不安かもしれませんが、共に学び実践する場をもちましょう。
そのための講座もあります。

シニフィアン研究所までお問い合わせください。http://signifiant-lab.com/
精神分析的子育て法オールOK!http://signifiant-lab.com/raise/
不登校の子どもの母よりも参照ください。http://signifiant-lab.com/escape/

2014年4月27日日曜日

373)対人不安と引きこもり

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の真道満喜(しんどうまき)です。
精神分析という対話療法で自己(無意識)を知り、必要に応じて書き換えませんか。
そうすれば、不安は安心に変わり、生きる希望が湧き、しあわせ入れ放題・つかみ放題だと実感することでしょう。

今日は、「対人不安と引きこもり」 について考えてみます

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人が苦手、人に会うのが不安、何を話したらよいか分からない、、、、
だから、話すのがめんどう、友達といるより一人でいる方が楽、その結果引きこもりがちとなる。
決して怠けているわけではなく、自分の好きなことならするし出かけてもゆく。
何とも理解しがたいと言われる。
このような人たちがますます増えているようです。
彼らにとって、ネットの世界は好都合だという。
ただ、LINEでは10秒ルールなどというのもあって決して楽ではないらしい。
それでも何らかの繋がりは持っているとのこと。
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ここでは、対人不安も引きこもりも「自己防衛」の手段だといいたいと思います。
そもそも「不安」とは、危険を予期しそれに対し準備を整えるような一定の状態のこと。(フロイト)
不安は、無防備のまま危険に襲われた時に陥る状態から自己を護るためのものだといわれます。
そうすると、対人不安も自己を護るための一つの反応だと考えられます。
そして、引きこもりは不安を呼び起こす環境から離れることですから、最も有効な方法ではないでしょうか?

では、何から自己を護ろうとしているのでしょうか。
それは自己愛の傷つきです。
危険に出会ったら、誰でも自分の身を護ろうとします。
それと同じように、心の傷つきから護ろうとする働きがあるとされます。
私たちは時に「あの一言で心が傷ついた」と表現したりもします。
それが自己愛の傷つきと呼ばれるものです。

無防備の時ほど傷つく度合いが大きいときはないでしょう。
いわゆる不意打ちをつかれるのがそれです。
ですから一度でもその経験があると、次から防衛しようと準備します。
それが情緒的に湧き上がってくるのが不安です。
逆に考えると、不安の強い人は過去に何らかの自己愛の傷つきを経験しているということになります。それが不安の大きな原因だと考えられます。

それが「対人不安」であり、それを避けるための自己防衛の方法が「引きこもり」ではないでしょうか。つまり、対人不安も引きこもりも自己愛の傷つきから自己を護るための「自己防衛」だと思うのです。このように考えると解決方法は自ずとみえてくることでしょう。
以上、対人不安と引きこもりを自己防衛という観点から考えてみました。
興味を持たれた方はシニフィアン研究所までお問い合わせください。http://signifiant-lab.com/
Twitterでもつぶやいています。https://twitter.com/sindoumaki 

2014年4月25日金曜日

372)失恋-男と女

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の真道満喜(しんどうまき)です。
精神分析という対話療法で自己(無意識)を知り、必要に応じて書き換えませんか。
そうすれば、不安は安心に変わり、生きる希望が湧き、しあわせ入れ放題・つかみ放題だと実感することでしょう。

今日は、「失恋-男と女」 について考えてみます

一般的に、失恋からの立ち直りは男性より女性の方が早いといわれます。
男性はなかなか忘れられずに、いつまでも想いを断ち切れないでいる。
一方女性は、別れたその日に別の男性を好きになれるともいわれます。
もしこのような男女差があるとするなら、なぜなのでしょうか?
恋愛に関して性差はどうして生じるのでしょうか?


結論からいうと、男性には「去勢不安」があるからではないでしょうか?
去勢不安とは、男児が抱く幻想で「去勢されるのではないかとの不安」を指します。
(詳しくは
エディプスコンプレックス」ウィキペディアより引用)

「去勢不安」を簡単にいうと、断ち切られる(切断される)ことへの不安です。
つまり男性にはこの「去勢不安」という無意識の幻想があるから、失恋した女性への想いを断ち切れない。
別れも一つの切断です。
特に女性から別れを告げられる(受身)場合は、より一層この不安が立ち上がってくるでしょう。
別れを告げられる前に、自分から先に別れを告げる男性もいるでしょう。
それは、言われるより言う方がまだ不安の度合いや心の傷つきがマシだからです。


一方女性は、もともとこの「去勢不安」はないので、切断には不安が少ないと考えられます。
ですから、案外平気で別れられるし、別れを告げられても立ち直りも早い。
このように考えてみると納得できるのではないでしょうか。

ちなみに、この「去勢不安」を克服した男性はこの限りではないでしょう。
また、女性であっても失恋からの立ち直りがあまりにも遅い場合は、母子分離ができていない可能性が考えられます。分離は切断によってなされるからです。


以上、フロイトが規定した概念、エディプスコンプレックスの「去勢不安」の視点から考えてみました。興味を持たれた方はシニフィアン研究所のHPを参照ください。
エディプスコンプレックスを中心にした講座もあります。
http://signifiant-lab.com/