2012年10月21日日曜日

294)否定・拒絶・無視=自分がなくなる

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の迎意 愛(むかい あい)です。
精神分析という対話療法で心身の悩み相談をしています。

           
今日は、「否定・拒絶・無視=自分がなくなる」 について書きたいと思います。

《291)自分が壊れてしまう不安や恐怖ーまとまりを持った自分の解体》で、
自分という存在は他者によって構成されると書きました。
そのためには、鏡像体験が必須だとも書きました。
ここでは、
鏡像体験によって構成された「自分」という存在がなくなるのは、一体どういう時かを考えてみます。
結論から言うと
『否定・拒絶・無視』に出会った時だと言いたいと思います。


うつや不登校や引きこもりなどをはじめとして、
立ち止まってしまって動けなくなった時、
ほぼ共通して口にする言葉があります。
それは≪どうせ・・・≫です。
この言葉は、あきらめの気持ちや無力感から出る言葉です。
つまり、立ち止まり、そこから前へ進めない情態を表します。


このような情態はどうして起きたのでしょうか。
それは何らかの「否定」「拒絶」「無視」などに出会ったと感じているからではないでしょうか。
中でも、
自分が心を寄せている対象(人、場所、もの)からそのように扱われた場合、
一気に自分の存在が無化されたと感じることでしょう。
これらは、自分の存在価値を見出している対象=自分自身=鏡像体験
このように感じている証拠でもあります。
ここから
「対象にとって自分は存在価値がない」と思った瞬間、
この時、自分自身が消滅した瞬間だと言えるでしょう。


つまり、うつや不登校、引きこもりなどは、
心を寄せている対象からの『否定・拒絶・無視』に出会った、
あるいは、それらの蓄積があった可能性が考えられます。

社会の中で、これらに出会うことは避けられないことでもあります。

だとするならら、
家庭内では、これらの反対
つまり、『肯定(オールOK)』が満ち溢れている環境が非常に大切になってきます。
社会では『否定・拒絶・無視』が溢れていても
家庭内では『肯定(オールOK)』が溢れていたなら
人は安らぎと癒しに包まれ、エネルギーを回復する。
つまり
≪自分という存在の回復≫
このように言えると思うのです。

家庭内が安らぎと癒しの場所=安心と安全の場所
それが基本となるでしょう。
それがもし、なかったなら
家庭外に求めるしかありません。
だから徘徊し、たむろし、刹那の居場所を見出そうとするのでしょう。
人は自分の居場所なくして生きられない存在なのです。

セラピールームはその居場所(安心と安全の場)でもあります。
シニフィアン研究所にもあります。
居場所が欲しいと思った時はHPをご覧ください。http://signifiant-lab.com/

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