2012年8月16日木曜日

262)ナルシシズムの原点=鏡よ鏡『白雪姫』

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の迎意 愛(むかい あい)です。
精神分析という対話療法で心身の悩み相談をしています。
           
今日は、「ナルシシズムの原点」 について書きたいと思います。

白雪姫』はご存知でしょう。ストーリーはこちらを参照ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E9%9B%AA%E5%A7%AB


有名な場面の一つ、白雪姫の義母である王妃の言葉
「鏡よ鏡、世界中で一番美しのは誰?」
これはナルシシズムの原点だともいわれます。

魔法の鏡が
「それは王妃です」
と答え続けていたなら、
王妃は白雪姫を殺さなかったことでしょう。
魔法の鏡が、
「それは白雪姫です」
と、答えたから、
自分が世界で一番美しいと言われたいとの欲望を持ち、
白雪姫に殺意を持ったのでしょう。

これは、童話です。
でも、人間の心の世界を表現した素晴らしい童話です。
誰の心の奥底にある欲望だともいえるでしょう。
これを、子育てに置き換えて考えてみましょう。
子どもが最初の鏡とするのは、お母さんです。
子どもはいつもお母さんに問いかけているのです。
≪お母さん、世界で一番可愛い(好きな)
のは誰?≫と。
その時
間髪入れずに答えてあげましょう。
≪それは、もちろん〇〇ちゃんよ≫と。
そうすれば、
子どもはニコッと微笑んで、
お母さんに愛されていると感じ、安心してすくすく成長することでしょう。

自分の理想の子どもになってもらいたくて、
兄弟姉妹や他のだれかと比べてはいませんか?
誉めたら調子に乗るからと、わざと意地悪していませんか?
うるさい子だと無視していませんか?

子どもにとっての鏡は、お母さんなのです。
だから何度も、うるさいくらいに確認したくなるのです。


「鏡よ鏡、世界で一番可愛い(好きな)のはだれ?」と。
もし、
「それはもちろん、〇〇ちゃんよ」
と言ってもらえなかったなら
白雪姫の義母である王妃のように、殺意を抱くかもしれません。
無視されたなら、
「誰でもよかった」と言って
たまたま通りかかった人たちに殺意をばらまくかもしれません。

人は、鏡に問いかけ、鏡によって答えられた姿を自分だと思い込む構造があります。
それは最初期において、自我を作り上げる上でとっても大切なことです。
その時期に、愛を刻印するか、憎しみ(殺意)を刻印するかは
子どもの目の前に居るお母さんに係っているといっても過言ではないでしょう。
この意味で
お母さんは子どもの運命を握っていると言えるのではないでしょうか?

それほどに、
子どもにとって、お母さんは世界で一番の愛の対象であり、
子どもも、母にとっての世界で一番の愛の対象になりたいと切望しているのです。


子育て教室では、オールOK子育て法http://signifiant-lab.com/raise/を中心に
子どもへの具体的な対応の仕方を話し合っています。
サークル、地域の子育てクラブなどへも出張します。
詳しくはこちらをご覧ください。http://signifiant-lab.com/#10
ブログ(197)自己愛(ナルシシズム)―エロス的交流)も参照ください。

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