2012年9月21日金曜日

278)母が欲望(愛)の対象となるために

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の迎意 愛(むかい あい)です。
精神分析という対話療法で心身の悩み相談をしています。
           
今日は、「母が欲望(愛)の対象となるために」 について書きたいと思います。
276)男性よもっと女を欲望せよ
277)男性が女を欲望(愛)するためには何が必要か
に続いて、今回は
≪母が子どもの欲望(愛)の対象となるためには、何が必要なのか?≫と問いかけてみます。
それは≪母が子を欲望することである≫と答えたいと思います。

先日、レストランで偶然目にした光景を紹介します。その光景を想像しながら読んでください。
場面1) 父親(20代後半)と3歳くらいの男の子がファミレスに来る。
料理を注文し、二人で食べていたが、男の子はあまり楽しそうではなかった。
そのうち、父親に叱られたのか、他の席に走ってゆき、ふてくされていた。

場面2) 生後5か月くらいの男の子を前抱っこした、母親(20代後半)が来る。父親がファミレスから出てゆく。
母親が、前抱っこしたまま料理を食べている傍で、
男の子は座席に寝そべったり、抱っこしている弟の顔を覗き込んだりしている。
すると、母親はニコニコして、男の子の顔に自分の顔をすりつけ、
交互に二人の息子の頭を撫でていた。
男の子は、弟の頭を同じように撫でたり、寝そべったりしながら
とっても嬉しそうな表情をしてご機嫌で、母親が食べ終わるのを待っている。

いかがでしょう。光景が浮かんだでしょうか。この光景を目の当たりにして、
『子どもは母親が傍にいるだけで、あんなにも幸せな気持ちになれるんだなあ』と痛感しました。
あのふてくされた顔の男の子は、もうどこにも居ませんでした。
終始、これ以上の喜びはない、とでも言いたげな表情と行動でした。
もちろん3歳くらいの子どもですから、
おとなしく、行儀よくしていたわけではありません。
そして、母親も常にその子を見ていたわけでもありません。
ですが、 
一度も母親が、その男の子に注意したり、叱る必要はありませんでした。

何よりも素晴らしいと感じたことは
その母親は、男の子が何か言ったり、したりした時だけ、食べている手を止めて、その子に顔を向け、
ニコニコしながら、対応していたことです。
これこそ、『オールOK子育て法の基本』だと思いました。

母親が子どもに温かい眼差し(ニコニコ顔)を向けている。
そして、その眼差しを全身に浴びて、子どももニコニコ顔になる。
これを『眼差しの交換』と言います。
それが嬉しくて、もっともっと母親の眼差しを欲しいと欲望する子ども。
それに対し、いつもすぐに答える母親。

この二人の関係は、まさしく愛し合う二人の姿そのものではないでしょうか。
恋愛をしている二人が、目と目で見つめ合う。
もうそれだけで、言葉など必要ないと感じる。
あの蜜月期間(ハニームーン)

このようにして、母と子の間の『眼差しの交換』が基礎になって、
思春期以降、大人の異性への恋愛へと繋がってゆくと考えられます。
ここから、人は互いに母子関係を再現するような相手を求めるとも言えると思うのです。
ゆえに、
母が欲望(愛)の対象となった男性が、女を欲望することができるのではないでしょうか。

シニフィアン研究所のHPhttp://signifiant-lab.com/を参照ください。
「オールOK子育て法」http://signifiant-lab.com/raise/
「恋愛と結婚―仕事と生きがい」http://signifiant-lab.com/woman/もご覧ください。

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