2014年6月17日火曜日

384)万能感からの脱却

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の真道満喜(しんどうまき)です。
精神分析という対話療法で自己(無意識)を知り、必要に応じて書き換えませんか。
そうすれば、不安は安心に変わり、生きる希望が湧き、しあわせ入れ放題・つかみ放題だと実感することでしょう。
今日は、「万能感からの脱却 」について書きます。
万能感からの脱却をすることは、成長の階段を歩む一歩でもあるといいたいと思います。
幼少期の子どもは、「大人は何でもできる」と感じているといわれます。
だから、「早く自分も大きくなりたい。」
「大人になって好きなことをしたい。」
この時、子どもは万能感を持ち、大人に同一化しているといいます。
それと同時に、同一化した自分も同じように万能感を持っています。
つまり、≪大人になったら自分は何でもできる≫と思っているのです。
だから子どもは、あれもしたい、これもしたいとの夢を抱くのでしょう。
このような「何でもできる」=万能感を抱くことは心の発達の観点からも大切なことです。
ところが、万能感はやがて打ち砕かれる時がやってきます。
親も決して万能ではないことを知るのです。
やがて、万能である大人に同一化していた自分も万能でないことに気づき始めます。
つまり、万能感からの脱却への一歩です。
それがやがて、万能でない自分=欠点のある自分を知ることにもつながっている 。

この観点からいうと、万能感を持ち続けているということは、自分の欠点を認めない。
自分に厳しい、欠点のある自分を許せない傾向にある。
それを他者に投影すると、相手の欠点を許せない、間違いを許せない、理想通りでない部分を認めようとしない、などなど。
ここから、自分も万能ではないと知り、受け入れることは、他者も万能でないことを認め許せることにつながる
成長する過程の中で、万能感からの脱却は必要であると共に、多大なエネルギーを消費することでもあるでしょう。それは、一つの危機の時でもあるかもしれません。
が、それを受け容れた時、また一つ成長したといえるのではないでしょうか。
そしてそのようなことは、幾度となく直面することかもしれません。
ですが、成長という観点からみたとき、その都度向き合うことの大切さと成長の喜びもあると考えます。
精神分析はその一助を担っています。

シニフィアン研究所のHP http://signifiant-lab.com/ 

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