2012年11月26日月曜日

310)木村荘八―大震災と下町の風景

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の迎意 愛(むかい あい)です。
精神分析という対話療法で心身の悩み相談をしています。
           
今日は、「木村荘八―大震災と下町の風景―生きる意味 について書きたいと思います。

11月20日放送の「開運なんでも鑑定団」で木村荘八21歳の油絵が紹介され、
その時の鑑定士永井龍之介氏が木村荘八について語ったことが耳に止まりました。
それは
「木村荘八は1923年の関東大震災後、二度と戻らない下町の風景を描くようになった」
という内容です。
木村荘八(以下荘八と呼ぶ)と下町の風景の関係を通して、『生きる意味』を考えてみたいと思います。
荘八にとって東京の下町の風景は、生まれ育った馴染みの風景であり、
関東大震災により失われ、二度と戻らない風景となってしまった。
それまでは、特別な思い入れがあったとの認識はなかったかもしれない風景。
それが完全に失われ、二度と見ることができないものとなってしまった。
どんなに復興しても、元の下町は二度と見られない。
それゆえ、絵や文字で表現するしかない風景となってしまった。
つまり
『失ってしまったがゆえに、欲望する対象となった』
荘八は絵や文字を描くという行為によって、再現する対象となった。
それが荘八にとって絵や随筆を描く意味=洋画家、随筆家、版画家として生きる意味となった

荘八にとって生きる意味とは、失われた下町の風景の再現であり、
それは元の下町ではないがゆえに、永遠に尽きることのない欲望の対象となった。

この荘八のように、『永遠に失ってしまったもの』があるからこそ
それをもう一度取り戻したいと欲望する。
その欲望を持つことが、その人にとっての生きる意味となるのではないでしょうか。

生きる意味がないと思っている人、
見つからないと考えている人、
生き方に迷っている人、
誰にも必ず『永遠に失ってしまったもの』があるはずです。
それを探しませんか。
そこにあなたの生きる意味を見い出せるかもしれません。

興味を持たれた方はシニフィアン研究所のHPを参照ください。http://signifiant-lab.com/
精神分析という対話療法で『永遠に失ったもの』を知ることが可能です。
「私と精神分析」もご覧ください。http://agency-inc.com/analysis6/

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