2016年8月21日日曜日

437)心の自己治癒力

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の楽歩愛真です。
なぜ、どうしてとの疑問を持ち、納得のできる答えを知りたいと考えている人にとって、精神分析という対話療法は有効な方法です。
今日は、「心の自己治癒力」 について書きます。  
人間の体は「自己治癒力」と呼ぶものを持っていると言われています。
それと同じように、心にも「自己治癒力」と呼べるものを持っているようです。
では、心の自己治癒力とはどのようなものか。
自動的に作動するものか否か。
自動的ではないとすると、どうすれば作動するのか。
これらについて今の時点で考えていることを書いてみます。
なぜ心にも自己治癒力があると言えるのか。
今はクライアントを通して学んだとしかいえません。
結果的にクライアント自らが治していくのです。
もちろん、分析家は理論に基づいた姿勢でその場にいます。
でも気づき治していくのはクライアント自身なのです。
クライアントと分析家は限られた時空を共有し、クライアントが語ることで時空を変化させます。
(語るのは言葉だけではありません)
その変化を分析家が受け止める。
その時空の中での変化がクライアントの自己治癒力を作動させるきっかけとなる。
この体験が共有の時空を離れても継続しているようです。
その何らかの変化を持って次回やってくる。
そしてまた自ら新たな刺激を作動させる。
その繰り返しの中で治癒していく。

目前の苦悩は表面に現れた症状と捉え、それを裏側で支えている何かを変化させれば症状も変わる。
その観点から、クライアントと分析家の限定された時空がクライアントの心の自己治癒力を刺激するのだと考えています。

その経験が限定的であり、非日常的な時空を設定するからこそ作動させることができるのでしょう。
自らの心の自己治癒力を作動させるきっかけは、日常のあちこちに転がっているのかもしれません。
ただ、それを自己治癒力を作動させるきっかけとするためには、ある特別な刺激が必要なのかもしれません。
その刺激を精神分析家は意図的に、しかもクライアントにそれと気づかせない形で用意していると言えるでしょう。
その刺激を受けるからこそ人は自ら治癒してくのではないでしょうか。

そのようなことを日々クライアントから学んでいます。
クライアントと分析家が意図的に時空を共有する場がセラピールームなのです。

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