2015年4月2日木曜日

409)生きる目標―受身から能動へ

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の楽歩愛真です。
なぜ、どうしてとの疑問を持ち、納得のできる答えを知りたいと考えている人にとって、精神分析という対話療法は有効な方法です。
今日は、「生きる目標―受身から能動へ」 について書きます。
生きる目標をどのように持てばよいのかとの質問を受けたことがあります。
その一つの指標として「受身から能動へ切り換える」の視点から考えてみます。

人はすべて受身から始まります。
生命を維持することさえ他者の手に委ねるしかないような受身の存在。
自分という存在を意識する前にまず存在している、生きている。
この世に誕生することから始まり、ある年齢までは自らの意志で開始したことはないと言っても過言ではないでしょう。

最初はただただ周りの大人たちから言葉で話しかけられる受身の日々の連続です。
そしていつしかそれらの言葉を取り入れ真似し、自ら言葉を発する瞬間がやってきます。
この時が受身から能動へと切り換えた瞬間、つまり言葉を浴びせかけられるだけの受身から自ら言葉を発する能動へと切り換えた瞬間です。
大袈裟にいうなら人間社会に参入した瞬間です。

以後そうすることを周りから認められ称賛されたなら、より能動的に周りに言葉で働きかけることを加速させます。
この体験の積み重ねが後に積極的に能動的に関わることを自ら肯定できる礎になると考えます。
体を動かして世話を受けるだけの受身から言葉を使って自らの意志を伝える能動を学習していく。
この言葉を使うという能動性を持つことが、ひいては生きる目標を持つことに繋がるのではないでしょうか。

生きる目標を持つとは何よりも自らが社会の中でどのように生きるかを言語化することだと考えます。
成長に応じた意志伝達を言葉で行うこと。
そのことが受身から能動への切り替えの第一歩であり、その蓄積がその人の生きる目標へと繋がると言いたいのです。
なぜなら目標は持つものであって、決して他者から与えられるものではないと考えるからです。 
「人間講座―象徴世界に生きる」と題して講座を開講しています。
興味を持たれた方はシニフィアン研究所のHPを参照ください。http://signifiant-lab.com/
日々の気付きはTwitterでつぶやいています。https://twitter.com/rakuhomanami

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