2012年12月18日火曜日

315)摂食障害(過食・拒食)

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の迎意 愛(むかい あい)です。
精神分析という対話療法で心身の悩み相談をしています。
           
今日は、「摂食障害(過食・拒食)」について書きたいと思います
以前にも、「摂食障害=接触障害」のタイトルで書きましたので参照して頂ければと思います。(http://blog.goo.ne.jp/kuutyann77/e/dd630d880d5c1838b77d311a24fe67a7参照)

≪痩せたい≫≪ダイエット≫
多くの女性にとって、少なくとも一度は覚えのある言葉ではないでしょうか。
最近、過食・拒食・嘔吐などの摂食障害で来談される方が増えてきました。
たいていは、まずご家族が心配し、
早く元通りに食べるようになって欲しいとの必死の思いで、病院や心療内科に連れてゆきます。
ところが、本人は案外ケロリとしている場合が多いようです。
それでも心配な気持ちが収まらないとして、来られる方が多いようです。

ここでは、過食・拒食などの摂食障害を、精神分析的な観点から考えてみたいと思います。
「食」は主に、口を通して取り入れます。
このことを、心の状態と等価なものと考えます。
すると、
過食・拒食は、食に関する過剰な「取り入れ」と「拒否」であり、
過剰に「取り入れる」「拒否する」心の状態ということになります。
つまり、過食・拒食などの摂食障害は、
過剰に何かを取り入れたい欲望と、それを拒否したい欲望の間を揺れ動いている心の状態となります。

では、一体彼女(女性が多いので)は何を欲望しているのでしょうか。
最初の食=母乳(ミルクも含む)の観点から『食=母』との図式が見えてきます。
ここから、彼女の欲望しているのは『母』だと考えます。
次に、どのような母を欲望しているのでしょう。

食べる=一体化(胎内化)とも言えますから
『母との一体化=胎内化を欲望している』とも言えます。

それは不可能なことは解っていますから、
母を食に置き換えて代理満足しようとする心の働きが過食となると考えます。
ところが、どんなに取り入れてもそれは母ではありませんから、
それに気付くやいなや、一気に嘔吐や拒食に転じます。
過食が続いて肥満した妊婦のような姿からは、
彼女を妊娠していた頃の母の姿に同一化しているとも見えなくもありません。
他には、
母と二人っきりになることを求めたり(車で二人だけで出かける、一緒に寝るなど)、
かと思ったら、いきなりあっちへ行けと言ったりもします。
様々な方法で母を振り回し、オロオロさせ、楽しんでいるかのようにも見える場合もあります。
彼女は、母と一体であった時の再現を欲望しているかのようです。
つまり、母との一体化を求めているのですから、
それに近い状況を与えるには≪ギュッと抱きしめること≫ではないでしょうか。
母の肌の温もりと圧力を感じることで、母との一体感を感じ取る。
そこからスタートです。

そのことをお母さんにお話ししますが、実際に娘さんを目の前にすると難しいようです。
なぜなら、そのお母さん自身もそれを求めている場合が多いからです。
ですから、娘さんに具体的に、どのタイミングでどのようにすればよいか解らないと言います。
「難しい」と言います。
そこにお母さん自身の葛藤が見えます。
それを理解するには「精神分析」という対話療法が必要になるでしょう。
娘さんにも、お母さんにも必要な時間をかけ、適切な対応をしていけば、
必ず二人で笑いあえる日がきます。

その実例を紹介していますので参照ください。
「思春期の悩み」http://signifiant-lab.com/eatingdisorder/
ご質問・ご相談は、シニフィアン研究所へどうぞhttp://signifiant-lab.com/

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